当たり前のこと
当たり前のことなんですけど、人って老うじゃないですか
あれが、とても怖いんです
たぶん、普通の人は、もちろん老いることは嫌というか、どうせなら若いままでいたいって思うっていうか、そういう若さへの憧れってものを持っていると思うんです。人によっては当然ちがう人もいるでしょうけれど
で、ぼくは老いることに対して、おそらく普通の人よりかなり恐怖している。普通の人は、若さへの羨望を抱きつつ、老いを受け入れていく。けど、ぼくにはどうもそれができない。できないというより老いへの恐怖がありすぎて考えたくない
本屋でバイトをしていると、明らかに言語野がゆるくなっていたり、手が震えていたり、本の名前が思い出せなくなっている人と話をする。若い頃から頭を使っていればそうならないのかもしれないし、またはからだを動かしていればそうならないのかもしれないけれど、本屋に来る高齢のお客さんは、どの人も(特に本が好きそうな人ほど)、老いへの適応が間に合っていないように感じる
自分もああなるのかもしれない
今でさえ、頭をちゃんと使えてない
それが、痴呆症の進行により、より深く生活に苦労することが増えるかもしれない
自分が70歳となり、どうなっているのか、想像すると、ただ生活に制限がかかった男にしかなっていない気がするのだ
孫がいるとか、同じくらいの年齢の奥さんがいるとか、そういう他者在りきの想像がどうもうまくいかず、一人ただ狭い部屋で生き繋いでいる想像しかできない
それがとても怖い
そうまでして生きたいほど、自分は現世に魅力を感じない
老いを楽しめるようなバイタリティを持ちたい
今の生活があと60年ほど続くなんて、ゾッとする